【外信コラム】「泣く子と座り込みには勝てない」 不法承知で勝手な自己主張

 所用で早朝、ソウル駅に行くと改札口近くのロビーに段ボール状の囲いがありマットを敷いて男が数人寝ている。

 ホームレスかと思いきや、囲いには「非正規職の正規職化」を訴えるスローガンが書いてあった。鉄道労組の“籠城(座り込み)闘争”の現場だった。

 日本大使館前では「慰安婦像を守れ」といってビニール張りの“籠城”が何年も続いているが、ソウル都心のいたるところでこうした各種の不法寝泊まり・座り込みが盛んだ。左翼・革新政権下では「泣く子と座り込みには勝てない」で、みんなが不法承知で勝手に自己主張し合っている。

 で鉄道の方だが、乗ったのは韓国自慢の高速鉄道KTX。ところがそこでも背中に労組のスローガンを書いた乗務員が行ったり来たり。快適な車内とは対照的で「こんな勤務風景でだいじょうぶかな?」と気になったが、他の乗客はとくに気にかける風でもなかった。

 この夏、在来線の普通列車に乗った際、送電事故で約1時間立ち往生した。田舎だったがその間、アイスパックや飲料水、パン、お菓子など鉄道側からの差し入れが相次いだ。実に立派な対応なのに「事故説明が足りない!」「早く動かせ!」などと怒鳴る客がいた。客も相手の足元を見て威張るのだ。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

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