【主張】朝鮮日報の社説 日本語版への掲載再開を

 韓国大手紙で保守の立場から文在寅政権の対日姿勢を批判する朝鮮日報の日本語版サイトで、1カ月以上も社説やコラムの掲載が停止した状態が続いている。

 日本語版を運営する同紙の子会社は理由を明らかにしていないが、日本語の見出しが「日本の嫌韓感情をあおっている」と韓国大統領府から批判された。政府の圧力を受けた自主規制であるなら、極めて残念だ。

 引き金は7月15日の韓国のテレビ番組だった。

 朝鮮日報の紙面で「どちらが親日で、誰が国を滅ぼす売国人か」と題していた論説委員のコラムが、日本語版サイトでは「『反日』で韓国を駄目にして日本を助ける『売国』文在寅政権」という見出しで掲載されていた。刺激的な見出しに変えた、とやり玉に挙がった。

 これを受けて、文大統領から次期法相に指名された、当時の大統領府民情首席秘書官、●国(チョ・グク)氏がフェイスブックで、朝鮮日報と、やはり韓国大手紙の中央日報の日本語版見出しを「嫌韓をあおっている」と批判した。

 ●氏はその後、娘の大学不正入学などの疑惑が浮上したが、文大統領の側近である。大統領府報道官も会見で「何が韓国と韓国国民のためになるか、答えなければならない」と両紙を追及した。

 朝鮮日報のコラムは「原理主義の宗教のように暴走」した文政権の反日姿勢を「外交的なのけ者状態を自ら招いている」と批判的に分析したものだったが、日本語版サイトは7月20日以降、社説やコラムの掲載を停止した。

 日本政府が対韓輸出管理の厳格化を閣議決定した8月2日の直前に対立回避を訴える社説2本は掲載されたが、その後は再び途絶えている。

 韓国大統領府の公式ウェブサイトでは、朝鮮日報廃刊を求める国民請願への署名が、政府の回答基準を超えて24万人となった。政府による報道規制や言論の抑圧に結びついてはならない。

 朝鮮日報は日本語版掲載を停止した後も、紙面などで社説やコラムを発表している。韓国の主要な新聞の言論を日本人読者が日本語で読める環境にあることは、その論調如何(いかん)にかかわらず、望ましいことだ。「言論の自由」に関わる話である。朝鮮日報には、早期の掲載再開を求めたい。

●=恵の心を日に

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