【主張】朝鮮学校の敗訴 北の影響下に公金出せぬ

 朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から外した国の措置は「適法」とする司法判断が先週相次いで確定した。最高裁が東京と大阪で起こされた2件で朝鮮学校側の上告を退ける決定をした。

 北朝鮮の独裁者をたたえる教育内容や朝鮮総連の影響下にある学校運営の実態に目をつぶって公金は使えない。当然の決定だ。

 朝鮮学校を運営する学校法人や卒業生らが5カ所で同種訴訟を起こしていた。残る広島、名古屋、福岡の高裁で係属中の3件の訴訟への影響も大きいとみられる。

 東京の訴訟で1審の東京地裁は、支給要件である「適正な学校運営」に照らして対象から除外した文部科学相の裁量権を認め、訴えを退けた。2審の東京高裁もこれを支持した。朝鮮学校と朝鮮総連の関係について、教育内容や人事、財政に影響が及んでいることを認めたものだ。

 大阪では、1審の大阪地裁が教育の機会均等の趣旨から外れるなどとして朝鮮学校側の訴えを認めた。しかし、2審の大阪高裁は北朝鮮の指導者を礼賛する教科書を使っている点などを重視し、「朝鮮総連から教育の自主性をゆがめるような支配を受けている合理的な疑いがある」などと結論づけ、朝鮮学校側の訴えを退けた。

 「子供に罪はない」などとして教育の機会均等に問題をすり替えるのは誤りだ。朝鮮学校側の訴えを退けた広島地裁判決では、適正な学校運営などの支給要件について合理的とし「民族を理由としたものではない」と認めている。

 朝鮮学校の歴史教科書などには故金日成、金正日父子をたたえる記述が頻繁に出てくる。朝鮮学校が総連の地方本部の傘下組織のようになっている例や、朝鮮学校を利用して資金集めが行われている疑いも指摘されてきた。そこに税金を使う方がどうかしている。

 高校無償化制度は民主党政権時代の平成22年に導入されたが、同年に北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃する事件が起きるなどし、朝鮮学校への適用が見送られた。曲折を経て自民党政権で適用除外が決まった経緯がある。

 北朝鮮は危険なミサイル発射を繰り返している。さまざまな形で朝鮮学校への補助金支給を続けている自治体があるが、独裁国家を支える教育内容や学校運営の実態を把握してのことなのか。再考すべきである。

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