【主張】水産物の検査強化 韓国の禁輸撤廃促す策だ

 厚生労働省が韓国産ヒラメなどに対する検疫所の検査を1日から強化する。食中毒が増える夏場を前に国民の健康を守ることに万全を期す。これが政府の説明だ。

 そこにはもう一つ、重要な意味がある。韓国が福島など8県産水産物の輸入を禁じていることへの対抗策である。

 政府は表向き、これを否定しているが、額面通りに受け止める必要はない。科学的な安全性が認められているのに日本産を禁輸にする韓国の振る舞いを改めさせるためにも、今回の検査強化は有効な一手だと理解すべきだろう。

 文在寅政権下の韓国は、「徴用工」訴訟や慰安婦問題、自衛隊機への火器管制レーダー照射などの反日的行動を繰り返している。

 日本が抗議を重ねても変わらぬ以上、法に基づき必要な対抗措置を講じなければなるまい。今回の措置を、その第一歩としたい。

 食品衛生法に基づき、韓国産の養殖ヒラメの検査量を全輸入量の20%から40%に引き上げる。韓国産のアカガイ、タイラギガイ、トリガイと、韓国や中国などから輸入するウニも10%から20%に引き上げる。違反が確認されれば、検査をさらに強化する。

 最近では、韓国産ヒラメの寄生虫、クドアを原因とする食中毒が年5~10件報告されており、規制を強化するのは当然である。

 ましてや韓国は日本産水産物に理不尽な禁輸を続けているのである。福島第1原発事故の風評を拡散させないためにも、手ぬるい対応をすることは許されまい。

 韓国の禁輸をめぐっては、世界貿易機関(WTO)で紛争処理を担う上級委員会が、これを不当とした1審の判断を破棄し、日本が事実上、敗訴した。だが、安全性が否定されたわけではなく、禁輸がWTO協定と整合的かどうかを明確にしたわけでもない。

 WTOの手続きには差し戻し制度はなく、紛争解決の機能を果たしたとはいえない。そこを問題視する日本に対し、多くの国が支持を表明したのも頷(うなず)ける。WTO改革が急務なのは言をまたない。

 韓国はWTO判断を評価し、日本の規制撤廃要求を拒み続けている。状況を打開するためにも対抗措置という新たな段階に踏み出すのは妥当だ。速やかに輸入を再開するよう強く迫らなければならない。韓国側は日本の厳しい姿勢を真摯(しんし)に受け止めるべきである。

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