【主張】インド総選挙 対中連携さらに強めたい

 インド総選挙で、モディ首相率いるインド人民党(BJP)を中心とする与党連合が圧勝し、モディ首相の続投が確実となった。

 経済格差への不満などを背景に一時は与党苦戦が伝えられたが、モディ氏への底堅い支持が示され、信任を得た格好だ。安定した2期目の政権運営を期待したい。

 インドの有権者は9億人に上り、投票は地域ごとに期日を分散し、1カ月以上かけて行われた。投票率は67・1%だった。

 モディ氏は「強いインドをつくる」と勝利宣言し、最大野党、国民会議派のラフル・ガンジー総裁は敗北を認めた。

 インドは独立以来、軍事クーデターはなく、選挙で政権を争い、言論の自由が保たれ、「世界最大の民主主義国家」と呼ばれる。

 アジアでは大国として中国を追う存在であり、人口では2020年代に中国を抜く。民主主義のルールにのっとった発展モデルを引き続き示してもらいたい。

 普遍的価値を共有する日印両国が、力ずくの海洋進出に代表される中国の覇権主義をにらみ連携するのは極めて自然なことだ。

 「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため、欠かせないパートナーでもある。

 日印は1年ごとの首脳の往来が慣例化している。安倍晋三首相とモディ氏の間で、日印の協力は、自衛隊とインド軍の共同訓練など防衛分野にもおよび、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)開催でも合意している。

 戦略面や経済を含むさまざまな分野で関係強化を進めたい。大勢判明を受け、安倍首相がただちにモディ氏に電話を入れ、祝意を表明したのは適切だった。

 昨年11月には、トランプ米大統領を加えた初の日米印首脳会談も実現している。連携の環(わ)をオーストラリアや東南アジアの海洋国家へと広げたい。

 選挙を前に、テロ事件をきっかけに隣国パキスタンとの間で軍事的緊張が高まった。その際のモディ氏の強硬姿勢が、選挙で追い風になったと指摘される。両国はともに、国際的な核不拡散体制の枠外で、核武装している。危険な挑発行為は自制してもらいたい。

 人口、経済規模の拡大に比例し、大国としてインドの責任も増していくのだという自覚が必要である。

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