【外信コラム】米大統領選をめぐるロシア疑惑は晴れたか?

 2016年米大統領選をめぐるロシアの干渉疑惑は一応、モラー特別検察官による捜査報告書公開で区切りがついた。だが、疑惑を追及してきた野党の民主党とトランプ政権の政治対立は、なおも続いている。

 捜査を「魔女狩りだ」と非難してきたトランプ氏は一転して、この報告書を根拠に、「共謀はなく、司法妨害もない」と潔白を主張する変わり身の早さをみせた。一方で報告書が“期待外れ”に終わった民主党側は、トランプ陣営の追及をしぶとく続ける構えだ。

 不祥事やスキャンダルから、政敵を追い詰めるのはどの国でもあることとはいえ、両者による非難の応酬の激しさをみていると「落としどころ」を探ろうという気配はみじんもない。

 米紙、ウォールストリート・ジャーナルによる世論調査では、大統領弾劾の公聴会に向け「議会は調査を続けるべきだ」との回答は32%にとどまり、48%が公聴会の開催に否定的だった。

 だが、別の調査では53%が「報告書でもトランプ氏の疑惑は晴れていない」と答え、「疑惑が晴れた」との31%を上回った。今も世論は分断されたままだ。

 疑惑追及の報道も続いており、政治混乱にうんざりする有権者の姿が目に浮かぶ。ただ、次期大統領選はもう来年に迫っている。(住井亨介「ポトマック通信」)

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