【主張】「5G」割り当て 基幹インフラの整備急げ

 総務省が第5世代(5G)移動通信システムの電波について、NTTドコモなど携帯電話4社への割り当てを決めた。来年の商用化に向け、事業者は基地局などの整備を本格化させる。

 5Gの通信速度は、現行の4Gに比べて、最大100倍速く、大量の端末などに同時接続することが可能になる。交通や製造、農業など幅広い分野で利用され、暮らしや産業に大きな変化をもたらすと予想されている。

 すべてのモノがインターネットでつながる「IoT」の時代を迎えている。日本でも5Gの早期普及を図るために基幹インフラの整備を急がねばならない。

 国際競争も激化している。日本は3Gまでは世界の最先端を走ってきたが、4Gになって米国企業の商用サービスなどに出遅れた。今後は5Gの実用的なサービスをいち早く提供することで世界に存在感を示したい。

 携帯4社に5Gの電波を割り当てた石田真敏総務相は「5Gは21世紀の基幹インフラになる。これまでの新幹線網や高速道路網に匹敵する」と強調した。基地局などに対する4社合計の設備投資は5年で合計1・6兆円にのぼるという。まずは来年の商用化を確実に図りたい。

 5G技術は携帯電話サービス以外での利用が進みそうだ。工場現場では通信で多くの産業用ロボットなどを同時制御し、無人生産が進展する。製品すべてにタグを付けて在庫を管理すれば、売れ筋も瞬時に把握できる。

 特に期待されているのが自動運転への活用だ。前方の様子をカメラで確認しながら先行車との距離を調整したり、人が飛び出したりした場合の急停止などが通信で制御できるようになる。5Gを使った自動運転バスが実用化されれば、人手不足に悩む過疎地の交通手段の確保にもつながる。

 米中ではこの次世代規格をめぐって覇権争いが勃発し、米国は自国や友好国から中国通信機器大手「ファーウェイ」の機器排除に乗り出している。日本も5G分野の政府調達で中国製品の排除を申し合わせており、国内4社も政府方針に従うことを決めた。

 ただ、そうであってもインフラ整備が遅れるような事態は許されない。政府は携帯4社の基地局の設置状況などを点検し、円滑な整備を促してもらいたい。

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