【甘口辛口】相撲界でまた暴力問題…「意識改革」の4文字をお題目のように並べた研修会では効果ない

 ■2月4日 「暴力は絶対に駄目」と言われ続けながら、相撲界では性懲りもなくまた問題が起きた。元大関琴欧洲率いる鳴戸部屋で三段目力士が未成年の弟弟子に柔道の絞め技をかけるなどの暴力を繰り返していた。20歳のこの力士は昨年9月ごろから日頃の仕事の罰として絞め技をかけ、別の弟弟子にも命じて失神させたこともある。

 鳴戸親方はヨーロッパ(ブルガリア)出身で初の師匠として一昨年4月に部屋を創設した。弟子は目下8人という小部屋だが、親方も稽古場に降り、ちゃんこも一緒に作る光景がテレビでも紹介され和気あいあいの雰囲気で知られていた。暴力には無縁の部屋と思われていただけに衝撃は大きい。

 相撲協会は元貴ノ岩の暴力問題を受け昨年末「横綱の暴力は引退勧告以上」など横綱、関取、幕下以下と3段階の処分基準を決めた。この基準によれば問題力士は1場所の出場停止か、けん責になる。しかし、暴力沙汰は大部屋で共同生活する幕下以下に多いとされ「ここをもっと厳しくしないと暴力追放にはつながらない」との声も聞く。

 取材に応じた鳴戸親方は「ファンや後援会、協会に申し訳ない」と謝罪した。しかし、「なぜ起きたのか自分なりに考えたい」といった言葉はなかった。「いかなる暴力も許さない」とした昨年10月の暴力決別宣言にある「暴力と決別する意識改革は師匠・年寄が率先して行う」という最重要項目が、どの程度浸透しているのか。

 ただ「意識改革」の4文字をお題目のように並べ、研修会を開いたところで効果は期待できない。各一門でもいいから師匠が集まり、暴力問題について腹蔵なく話し合うような意識をもつことが先決ではないか。 (今村忠)

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