【甘口辛口】9歳でプロ棋士、天才少女の出現に驚き あまり重荷を背負わせず長い目で育ててもらいたい

 ■1月8日 相手の大将の首を取りにいく将棋が「城攻め」なら、囲碁は切った張ったのない優雅な「陣地取り」で女性向きといわれる。それはわかるにしても、9歳でプロ棋士に採用が決まった天才少女の突然の出現には驚くばかりだ。小学4年の仲邑菫(なかむら・すみれ)さん。4月1日付で史上最年少(10歳)のプロ棋士になる。

 6日には第一人者の井山裕太5冠と大阪で公開対局を行い「本当に末恐ろしい」と舌を巻かせた。昨年の井山杯小学生の部優勝者としての記念対局で、あらかじめ決まっていたとはいえ日本棋院がプロ棋士採用を発表した翌日で、いやがうえにも注目が集まった。日本棋院の読み通りの展開だった。

 最新の世界囲碁棋士レーティングでは上位50人は中国、韓国ばかりで日本勢は井山の57位が最高。中韓に対抗するため新設した「英才特別採用推薦棋士」第1号に選ばれたのが菫さんだが、将棋の奨励会員にあたるプロ候補生として、年間5人という狭き門にチャレンジしている院生の心中は複雑だろう。

 「囲碁界はつねにわれわれ将棋をライバル視している。将棋は藤井聡太七段が3年前に史上最年少プロになって以来活況が続いているだけに、囲碁も話題を作って何とか目を向けさせようという感じだ」。そう話すのはある将棋棋士。藤井が中学生(当時)なら、こちらは強くてかわいい女の子。形勢逆転への“勝負手”といったところか。

 もっとも藤井は史上最年少だけでなく、デビュー29連勝という驚異的な実績を残したからこそ空前の将棋ブームをもたらした。菫さんは「中学生でタイトル」が目標だそうだが、あまり重荷を負わせず長い目で育ててもらいたいものだ。 (今村忠)

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