【甘口辛口】初競りマグロ“マネーゲーム”に「度が過ぎる」 落札価格3億円超え、市場関係者が批判

 ■1月7日 「初競りにぴったりのご祝儀」と拍手喝采した人もいたろう。築地から移転後初めて迎えた豊洲市場の初競りで、278キロの青森県大間産のクロマグロが3億3360万円(1キロあたり120万円)で落札された。これまでの最高額の2倍以上という驚きの価格に、人々の受け止め方も十人十色だったろう。

 最後は、すしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村と水産仲卸「やま幸」の一騎打ちで値段が一気に跳ね上がった。金に糸目をつけない両者による“マネーゲーム”の感があり、勝った喜代村の木村社長が「やり過ぎた」と言ったくらいで市場関係者からの「度が過ぎる」との批判もうなずける。

 初競りは正月の風物詩として毎年メディアが“ぜひもの”として取り上げているが、昨年の初競り程度の価格(3645万円=405キロ)なら扱いはどうだったか。メディアを喜ばせた“マネーゲーム”には「人が見ていないところでやってもらいたかった」と、不快感を覚えた人も多かったのではないか。

 同じ日の新聞には重い心臓病を患い米国での移植手術を目指す1歳の川崎翔平ちゃん(兵庫県尼崎市)をエンゼルス・大谷翔平が見舞った記事があった。手術代や渡航費は募金で現在約2億3000万円集まっているが、最終的には3億5000万円必要という。「初競り」の後に読んで複雑な気持ちにさせられた。

 件のまぐろは単純計算で1貫2万円以上。「すしざんまい」では大トロ398円、赤身158円で提供された。津軽海峡の荒波でもまれ脂が乗りきってさぞうまいだろうが、まぐろにしてみれば「オレはそんなに安いのか」と文句の一つもいいたかったのではないか。(今村忠)

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