天職への謝意

 米国は年末からの「アワードシーズン」(賞の季節)の真っ最中だ。「ゴールデン・グローブ賞」など数々の映画賞の発表が続き、米映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞(3月4日)で最高潮を迎える。

 社会的、政治的問題を舞台上で取り上げるのが恒常化した感があるが、一歩間違えれば雰囲気を壊しかねず、相次ぐ政治的発言にうんざりする向きもある。

 そんな中で、「アニメ界のアカデミー賞」といわれる米アニー賞の発表・授賞式を取材した。受賞者からどんな発言が飛び出すかと身構えたが、ほとんどが気取らず簡単な感謝を述べるだけで堅い話はしない。他の映画賞との違いにホッとしつつも、あるスピーチに感じ入った。

 「アニメを作ることが大好きだ。この仕事の代わりに他にやりたいことはない」

 アニメ界への長年の貢献をたたえる功労賞「ウィンザー・マッケイ賞」を贈られた英国のアニメ制作者、ジェイムズ・バクスター氏の言葉だ。

 「若いころは机に座るとやる気と興奮にあふれていた。今もそれは感じるが、それよりもストレスがスーと抜けていく感じがする。なぜならそこが私のいるべき場所だからだ」。まさに天職なのだろう。自らもかくあるべしと改めて誓った。(住井亨介「西海岸から」)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ