女優の石橋静河がヒロイン木村珠を演じるNHK連続テレビ小説「ブラッサム」(総合ほか)の第26回が2日に放送され、北海道・札幌拓殖銀行の総務部長を務める珠の親戚・正吾役として初登場した俳優・三宅弘城の姿に、朝ドラファンから大きな注目が集まった。
「あさが来た」「おむすび」に続く3度目の朝ドラ出演【ネタバレあり】
ドラマはこの日から第6週「ふたり、北へ」(第26~30回)に入り、従兄の保(金子大地)の子を身ごもった珠が、山口・岩国の葉野家に妊娠を知らせる手紙を書いた。赤ん坊の誕生を妹の俊子(徳丸心結)と弟の英男(徳丸夏輝)が無邪気に喜ぶ一方、継母のリョウ(国仲涼子)と長男の守(中須翔真)は若い2人の生活苦を案じて表情を曇らせる。
当面の生活費に頭を抱える保は、実家への援助要請を決断。「結婚もせんと、半端なままで子を産ませようとして、申し訳ない」と珠に頭を下げ、帝大卒業までの1年半は勉学に専念させてもらい、卒業時には必ず幸せにすると誓ってプロポーズ。珠もその真情に応えて快諾した。
保は母の照子(山田真歩)に手紙を出した。受け取った照子は、いずれそうなると予想はしていたものの、早すぎると困惑。当面の費用を用立ててほしいという願いに対しても、援助を求められて応じる余裕はないと困り果てていた。
約3週間後、照子はいとこの正吾を連れて2人の部屋を訪問。保から手紙をもらい、駆けつけたという。申し訳なさそうに謝罪する珠だったが、照子は元気な珠の姿を見て一安心。そして「お金の心配はせんでええ。こちらの正吾ちゃんにお願いしたけぇ」と語り掛け、2人に結婚を勧めた。
正吾は岩国の出身だが、30年前に北海道へ移住。札幌拓殖銀行で総務部長を務めていた。正吾は、出産費用や保が帝大を卒業するまでの仕送りなどをすべて引き受けると申し出る代わりに、保が卒業後は札幌にある自分の下で働くという条件を提示した。
保と珠にとって、北海道は見知らぬ土地。正吾は、開拓が始まって50年が経った北海道には人が集まり、電気も通って港や鉄道も整備され、移住者による商売も回り出して急速に発展しているとアピールする。
「われわれ銀行屋はね、そんな彼らに資金を貸し付け、ともに希望をかなえる仕事だと思っとるんだ。札幌は、いよいよ、北の都になりつつある。われわれの仕事は、そんな北の都を、金融を通し、もっと豊かに、人々がもっと安心して暮らせるようにする。壮大な街づくりだ」
保は北海道での生活に不安を感じていたが、珠は「面白そうじゃ」と前向きに捉え、「北の都」という響きに希望を抱いていた。保もその思いは同じで、札幌という土地で自分の力を試せる機会など滅多にないと語る。「なら行こう」。珠の言葉に保は力強くうなずき、婚姻届を提出する準備を進めた。
生活苦に喘ぐ珠と保に救いの手を差し伸べる正吾を演じる三宅といえば、これまでも名作に出演してきた「朝ドラ常連俳優」。2024~25年に放送された「おむすび」では、ヒロインが働く星河電器の社員食堂を切り盛りするベテラン調理師・立川周作役を好演。さらに「あさが来た」(15~16年)では、のちに加野銀行へと発展する加野屋の中番頭・亀助役を熱演し、存在感を示した。
確かな演技力と温かみをもたらす名バイプレイヤーの登場に、朝ドラファンたちが即座に反応。SNSに「おむすびの立川周作さん以来の三宅さん」「『あさが来た』『おむすび』の三宅さんだ」「亀助さんじゃがね」「三宅さん『あさが来た』に続いてまた銀行員なのね」といったコメントが相次いだ。
物語の重要な転換点に安心感をもたらす三宅の芝居に対し、「ほっこりするわ~」「三宅さんが出るとうれしい民です」「NHK、三宅さんへの信頼度すごいな」と喜ぶ視聴者も多く、新天地・札幌での物語を力強く支えるキーパーソンとして大きな期待が寄せられている。
朝ドラ「ブラッサム」とは?
明治、大正、昭和を生き、自由を求め続けた作家・宇野千代さんをモデルとした朝ドラ。山口・岩国に生まれた主人公が、文学との出会いやさまざまな人々との交流を通して成長し、作家への道を歩んでいく姿を描く。脚本は「あなたのブツが、ここに」「ブギウギ」などを手がけた櫻井剛さんらが担当。主題歌はYOASOBIの「咲き誇れ」で、作家の綿矢りささんが書き下ろした小説をもとに制作されている。「語り」を同局の三條雅幸アナウンサーが務める。