女優の石橋静河がヒロイン葉野珠を演じるNHK連続テレビ小説「ブラッサム」(総合など)の第5週「狂騒で、東京」(第21~25回、26日から)の予告が23日、放送された。次週から珠の東京生活が本格化し、作家になる道が少しずつ動き始める。また、新キャラも続々と登場。芥川龍之介をモデルにした秋山格之介(高良健吾)、珠が憧れる翻訳家・小山牛丸(イッセー尾形)、文芸雑誌「首都公論」の編集長・黒崎大三郎(遠藤憲一)と副編集長の山中勇三(井浦新)ら、文壇を牽引する人物たちが物語を彩る。気になる木村保(金子大地)との距離も縮まり、2人の関係は「兄妹」から「好きな人」へと変化していくようだ。テンポの速い物語はさらに加速するとみられ、東京で珠の運命が大きく動き始める。
朝ドラ「ブラッサム」第4週「岩国と、共に」(第16~20回)振り返り【ネタバレあり】
大正4(1915)年5月。珠が尋常小学校を解雇されて数カ月がたち、葉野家は継母リョウ(国仲涼子)の給金で暮らしていた。仕事が見つからない珠を、リョウは本家の葉野酒造で働けるようにするが、周囲の風当たりは強かった。
ある日、珠は元夫の弟で京都の三高に通う木村保(金子大地)と再会。過去の出来事を打ち明けても変わらず優しく接する保と、文学の話などを通じて親しくなる。秋には保の母・照子(山田真歩)から、京都で保の世話をしてほしいと頼まれるが、珠は家族と離れられないと断った。
その年の暮れ、珠はウワサの影響で葉野酒造を解雇される。悪評は収まらず、家計はさらに苦しくなり、弟の守(中須翔真)も珠のことで同級生にからかわれ、ケンカ騒ぎを起こしてしまう。
翌春、保から東京帝大への進学を目指して上京するという手紙が届き、珠は保に返信を書く。珠の将来を思うリョウは、以前照子から持ちかけられた世話係の話を引き受けるべきと考え、珠にも東京行きを勧める。周囲のウワサに傷つき、小さくなって生きる珠を見かねたリョウは、「これからは自分のために生きんさい」と背中を押した。
悩んだ末、珠は上京を決断するが、守は納得できず、中学を辞めて働くから岩国に残ってほしいと泣いて訴える。珠は、岩国にいても前に進めないと胸の内を明かし、弟妹たちやリョウを守ってほしいと頼む。守は涙ながらに珠の決断を受け止めた。
大正5年9月。リョウが、初めて会ったときに珠が着ていた着物を信玄袋に仕立て直して手渡した。珠はこれまでの日々を振り返り、リョウへの感謝を伝える。リョウも「これからは、正真正銘、珠さまの人生じゃけえね。胸張って生きるんよ」とエールを送る。リョウに勇気づけられた珠は、ひとり東京へ向かった。
朝ドラ「ブラッサム」第20回(10月23日放送)振り返り【ネタバレあり】
第20回では、東京で新生活を始めた珠が、保の思いに触れるとともに、文学との新たな出会いを果たす。故郷での苦しい経験を経て、珠が再び小説の世界に心を動かされる。
【以下、ネタバレ】
岩国から約30時。間東京に着いた珠は、人混みの中で「もう、小そうならんでええんじゃ…」とつぶやく。メモを頼りに、本郷にある下宿屋「三好」を探す途中、千鳥足で歩く大工姿の男(赤堀雅秋)に絡まれそうになりながらも、なんとか三好を見つけ、玄関に飛び込んだ。「ごめんください! 今日からお世話になる者です!」と声を張る珠に、中から「うるさいねえ、聞こえてますよ」と返事がある。出てきたのは、大家の娘・三好マキ(中村優子)。珠は、マキに連れられて保の部屋に通された。マキは、珠が保の妹だと聞かされていたようで、どこか様子のおかしい珠を不審に思いながら階下へ降りていった。
無事に下宿先に着き、安堵した珠はそのまま眠ってしまう。目を覚ますと、保がいた。「ようこそ、珠さん」。三好は学生向けの下宿で、他人同士の男女が同じ部屋に住むことは禁じられていた。そのため、珠は保の妹ということになっていた。
夕食の時間になり、1階の居間に下りていくと、先ほど絡まれそうになった酔っ払いがいた。「あたしの親父。大家の三好辰五郎。また怠けて飲んでたんだろ」。辰五郎は大工の棟梁だという。保は辰五郎の晩酌に付き合った。
その晩、保は珠に本当の気持ちを打ち明けた。照子から、珠が京都に行って保の世話をするという話を断ったと聞き、「残念じゃった」と振り返る。そして、「ワシ…ほんまはずっと、珠さんのこと思うちょった」と告白した。「けど…ウチ、まだ保さんのこと…」と戸惑う珠に、保は「まだ兄さまのままでええ。ただ、いつか岩国での辛いことが忘れられたら、そんときはこっち向いてほしい」と伝えた。
翌日から珠は、朝食の支度や掃除、洗濯などの家事に精を出し、帝大に通う保の世話をする。買い物の途中で本屋「ぶくぶく堂」に立ち寄ると、店主の本田(川島潤哉)は立ち読みを拒むどころか、歓迎してくれた。雑誌「少女春秋」の巻頭に掲載されていた「花手帖」の作者は、土橋風子(尾野真千子)。本田は、二十歳そこそこの女流作家だと教えてくれた。「少女のはかなさを綴る作家は多いが、その土橋って書き手は彼女らが抱えるやりきれなさにまで届かそうとしてる。少女小説だと思ってなめてると…腹の底に、ハフンって来る」。珠はその雑誌を購入。「まいどあり。いいよな、文学」という本田の言葉に、珠はうなずいた。
故郷を離れ、第二の人生を歩み始めた東京で、珠は再び「小説」と出会った。
第5週「狂騒で、東京」(第21~25話)予告と展望
予告は、「さすが東京じゃ」という珠の言葉に重なるように、珠がウェイトレスとして働くシーンからスタート。続いて、本田が「文学は…」と言った後、秋山が神妙な面持ちで「呼吸」とつぶやく。その姿はまさに芥川龍之介をほうふつとさせる。小山牛丸は驚き、黒崎は珠に「素人の原稿を読めと?」と尋ねる。一方、山中はすでに珠の才能を見抜いているようで、「ただ器量のいい女給ではないと」と鋭い言葉を口にする。また、同じウェイトレスのヨネ(ヨネダ2000・誠)とスギ(ヨネダ2000・愛)も登場。終盤では、作家志望の青年・左良太(北野秀気)と珠が握手するところに保が駆けつけ、「そいつ誰なあ?」と激怒し、「悠楽軒」の店長・熊田(トレンディエンジェル・斎藤司)が「どなた?」と尋ねる。最後は、桜の花びらをつかもうとする珠が「憧れた世界がそこにあったら、触れてみたいと思うでしょう」と語り、文机に向かって原稿を書くカットで締めくくられた。
新キャラクターが続々と登場し、珠の人生も大きく動き始める。約20秒の短い動画ながら、今後の展開につながる情報が詰め込まれた予告だ。視聴者も大興奮で、SNSには
「新キャストいっぱいくるー!」
「芥川龍之介に寄せてきた高良健吾」
「エンケン出るんだ」
「うわー井浦新くるー!」
「ヨネダ2000まってたよ! 来週からね!」
「ここに錦戸さんも加わるんでしょ。どうなっちゃうの!」
「大物てんこ盛り」
「一気に空気変わった」
などのコメントが寄せられている。
朝ドラ「ブラッサム」とは?
明治、大正、昭和を生き、自由を求め続けた作家・宇野千代さんをモデルとした朝ドラ。山口・岩国に生まれた主人公が、文学との出会いやさまざまな人々との交流を通して成長し、作家への道を歩んでいく姿を描く。脚本は「あなたのブツが、ここに」「ブギウギ」などを手がけた櫻井剛さんらが担当。主題歌はYOASOBIの「咲き誇れ」で、作家の綿矢りささんが書き下ろした小説をもとに制作されている。「語り」を同局の三條雅幸アナウンサーが務める。