和平後のウクライナに英仏提唱の「安心供与部隊」派遣へ 有志国連合の国防相会合

英国のヒーリー国防相(共同)
英国のヒーリー国防相(共同)

【ブリュッセル=黒瀬悦成】ヒーリー英国防相とフランスのルコルニュ国防相は10日、ロシアに侵略されたウクライナでの和平後の「安全の保証」について話し合う有志国連合の国防相会合をブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で開いた。会合では、英仏が提唱する軍部隊派遣の具体的手立てが主要議題となったが、多くの参加国が派遣の前提として求める「米国の関与」を巡っては議論は進まなかった。

ヒーリー氏は会合の冒頭「ウクライナが自国の主権維持とロシアの再侵略の抑止に向けて可能な限り強力な立場に立てるよう取り組んでいく」と述べた。

会合には約30カ国が参加したが、ヘグセス米国防長官は欠席した。

3月27日にパリで開かれた有志国の首脳会合では、マクロン仏大統領がウクライナの都市や基地などの戦略拠点に英仏など欧州数カ国が「安心供与部隊」を派遣してロシアの再侵攻を阻止する構想を表明した。

英仏両軍の参謀総長はパリでの会合の成果を踏まえ、今月4日にキーウでウクライナのウメロフ国防相らと会談し、派遣構想の内容を説明した。

ヒーリー氏は、有志国連合の支援計画は「十分に練られている」とし、ウクライナの陸海空の安全と平和という「明確な目標を設定済みだ」と強調した。

ただ現時点で、有志国のうち軍部隊派遣の意向を示しているのは英仏など数カ国にとどまったままだ。

ウクライナ政府は、確実な安全の保証には15万~20万人の部隊派遣が必要と主張。だが、各国が自らの対露防衛を空洞化させずにウクライナに兵力を振り向けられるかどうかは定かでなく、一部の国が派遣をためらう一因となっている。

一方、英仏は安心供与部隊について、露軍部隊とにらみ合う前線には配置せず、停戦監視や平和維持などの活動にも従事させないとの考えを示している。

ヒーリー氏はこの日、「ウクライナ軍こそが最強の抑止力となるべきだ」と述べて同国軍の能力向上支援を重視する立場を強調。英仏は派遣部隊の役割を限定させて各国が派遣に応じやすくする一方、部隊を派遣しない国は能力支援などの後方分野で貢献を果たすよう役割分担を進める考えとみられる。

これとは別に、英国は11日、ドイツと共にブリュッセルでウクライナ防衛支援の関係国会合を主催し、ウクライナの防空能力向上のほか、砲弾や弾薬の供給強化の方策を協議する。ヘグセス氏はオンラインで参加する見通し。

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