〝風呂キャンセル界隈〟の頭皮で悪化するにおい 少なくとも隔日ペースの入浴で健やかに

〝風呂キャンセル界隈(かいわい)〟という言葉をご存じでしょうか。〝○○界隈〟には〝○○な人々〟といった意味があり、入浴せずに済ませる人たちを指します。原因は帰宅後の眠気や疲れ、食後の「スマホいじり」など多様です。入浴すれば体が休まり、疲れが取れることは理解していても、それ以上に「早く寝たい」「他のことに時間を回したい」という気持ちが勝った場合、〝風呂キャン〟してしまう傾向にあるようです。

風呂キャンにはメリットもあれば、デメリットもあります。メリットは時間を捻出できること。おおむね30~60分程度を趣味や「スマホいじり」など、好きなことに活用できます。デメリットは体の疲労を持ち越しやすいこと。加えて、皮膚や頭皮で常在菌や細菌がいつもより増え、においの悪化につながることです。ある調査では、風呂キャン3日後の頭皮のにおいは、1日はいた靴下の2倍程度になっていた、というデータもあります。

また皮膚科医視点で見ると、角質に皮脂や汗が蓄積して、かゆみが生じる→かく→皮膚炎が発生する-という悪循環を招くリスクが高まります。特に乾燥肌の人は、風呂キャンに伴うスキンケア不足でかゆみや乾燥を招きやすく、この悪循環に陥らないように注意が必要です。

シャワーや洗顔、ウエットシートで体を清拭(せいしき)などすれば風呂に入らなくてもいいと考える人もいますが、あまりお勧めはできません。入浴は皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)の活性化を促すからです。36~40度程度の湯船に10分ほど浸(つ)かることで、角質がふやけて落ちやすくなるのに加え、体が温まり睡眠の質が良くなれば成長ホルモンの分泌も増えます。一方で体が火照るほど熱い42度以上のお湯や15分以上の長湯は、肌には逆効果となるので避けましょう。

頭皮をはじめ皮膚を健やかに保ちたい人は、少なくとも隔日ペースでの入浴をお勧めします。

洗髪後に髪を乾かさない「ドライヤーキャンセル」界隈の人もいるそうですが、頭皮が湿ったままだと細菌が増殖し、かゆみやにおいのもととなります。髪全体だと大変と感じるなら、少なくとも頭皮は乾かすように心がけましょう。

(Dクリニック新宿 医師 杉田淳)

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