日本維新の会の党大会を前に、元代表の松井一郎氏が産経新聞の取材に応じ、吉村洋文代表率いる現体制や兵庫県議による情報漏洩(ろうえい)問題などについて語った。詳細は次の通り。
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――吉村氏の手腕をどうみているか
「世論調査の支持率をみたら厳しい。国民民主党に抜かれている。吉村さんは一生懸命やっているが、維新への期待値が上がっていない」
「杯酌み交わすこと必要」
――国政では教育無償化に向けて一定の成果を得た
「正確に言えば、無償化ではなく、教育費の負担軽減。(今回の自民、公明、維新による合意について)無償化はいいすぎだ。都道府県でさらに(支援を)上乗せする必要がある。子供を希望する世帯が諦めてしまうのは教育費が主な要因でもあり、これからも完全無償化に向けて取り組んでほしい」
――党や国会の運営を巡り、現執行部と旧執行部メンバーの間で、軋轢(あつれき)が生じている
「新執行部は経験が不足しているし、吉村さんも国会議員ではない。与党との駆け引きの難しさや機微に触れる部分については、旧執行部のベテラン勢が水面下で交渉をサポートしていたと聞いている。ベテラン勢は評価されず面白くないかもしれないが、党内でもめている場合ではない。感情的なものは横に置き、公約の実現を進めるべきだ」
――吉村氏は国対政治に否定的だった
「他党との交渉ごとは、表の会議だけでは暗礁に乗り上げる。杯を酌み交わす中で妥協点を見いだすことが必要。各党のキーパーソンも意見をメディアに取り上げてもらうため、そうした場で話をしている」
「吉村さんに頼りすぎ」
――党勢拡大に向け、何を打ち出すべきか
「選挙で掲げた公約を一歩一歩進め、住民に実感してもらうことが一番大事だ。教育無償化もそう。今回は小学校の給食費無償化も勝ち取った。38人の衆院議員で100点は取れない。少数野党の維新が圧倒的第一党の自民党をどう動かすかを考えて、日本を前に進めていくべきだ」
「国民民主は維新が予算案に賛成することで、反対パフォーマンスがしやすくなった。維新が国民民主と違うところは、大阪で行政を動かしている。実務を担う立場で予算案の否決は重い判断になる。選挙を念頭にパフォーマンスはすべきではない。過半数を割った与党が、木で鼻をくくったような対応を取るのであれば、維新も腹をくくって正面からノーを突き付けることもあるかもしれないが、今回の与党の対応は非常に丁寧にみえた」
――兵庫県議による情報漏洩は、なぜ起きたか
「維新の結党から10年以上がたち、一人一人の心の奥底に慢心や保身があり、組織としての緊張感を緩めている」
――どう引き締めるべきか
「みんな、吉村さんに頼りすぎだ。国政や都道府県組織の執行部が緊張感を持ち、結党時の維新スピリッツ、初心を取り戻すしかない」
斎藤氏支援は「反党行為」
《県議2人の処分を巡っては、岸口実氏を離党勧告、増山誠氏を除名とする方向で検討していた県組織「兵庫維新の会」の当初方針が、執行役員会で逆転した。執行役員会の決定前に、党創設者の橋下徹氏は自身のX(旧ツイッター)で岸口、増山両氏の処分について「逆」と発信していた》
――処分内容の「変更」に橋下氏の影響はあったと考えるか
「橋下さんの発信が影響したようにみえる。橋下さんは外部の人間だから、今の執行部は毅然(きぜん)と判断すべきだった。私は2人とも除名でいいと思っていた」
《維新県議団は昨年の知事選で、維新を離党し無所属で出馬した清水貴之前参院議員を支援する方針を決めたが、増山氏と白井孝明県議は再選を果たした斎藤元彦氏の支援に回った》
「選挙期間中に斎藤さんを応援するのは明らかな反党行為。それをもって除名にすべきだった。(兵庫維新などの)会議でそうした意見は出なかったのか。創設者に振り回されないように行く道を決めないといけない。決めた限り、責任を持つ覚悟が必要だ」
――処分決定に際し、兵庫維新から松井氏に相談はなかったか
「ありません。重要な党の決定事項で外野の私が意見することはない。(民間有識者で構成する党の諮問機関である)ガバナンス委員会の意見を聞くのもいいが、決定するのは執行部。甘い対応をしていたら有権者に見放される」(聞き手 山本考志)