「那須の河川敷で焼けた2遺体が発見されてから1カ月。宝島龍太郎さん夫妻殺害事件は仲介役、指示役、実行役、黒幕が次々と逮捕され、複雑な相関関係やトラブル、謎の多いミステリーのような展開に視聴者の関心は高く、ニュースや情報番組ではずっとトップ項目になっています」(ワイドショーデスク)
現在のニュースの中心は、GW明けに逮捕されたばかりの首謀者、宝島夫妻の長女の〝内縁の夫〟関根誠端容疑者(32)。首元から全身びっしりと入れ墨の入ったチンピラまがいの男は自称・経営コンサルタント。
世田谷の高級住宅街に住み、高級外車を乗り回すような男だ。上野で飲食店14店舗を経営し、成功していた宝島夫妻の番頭として辣腕(らつわん)を振るっていたが、気性の荒いオーナー夫妻に使われ、ときには「バカ」と罵倒されていたという。
だが、いずれすべて自分のものになると〝逆玉狙い〟で入り込み、面従腹背を通してきた。
「宝島さん夫妻と対立し始め、関根容疑者は繁盛店を抱えて独立することを企てていましたが、その気配を察した宝島さんは上納金を支払えとプレッシャーをかけていた。もともと関根容疑者は金のためなら手段を選ばないタイプ。邪魔者は消すしかないと思ったのでしょう」(全国紙社会部記者)
この事件で最も衝撃だったのは、実行役のひとりがNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で黒田官兵衛の幼少期を演じた元俳優だったこと。映画「曇天に笑う」やNHK・Eテレの子供番組でも活躍し、名子役として注目されていた若山耀人容疑者(20)は、10歳当時「大人になっても人気のある俳優になりたい」と自分の夢を語り、憧れの俳優に「岡田准一」の名を挙げていた。
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聡明快活な少年は激変し、首に大きな入れ墨を入れた極悪殺害グループの一員に。事件直前たまたま街頭インタビューに応じていた若山容疑者は「結局、世の中、お金かなって。顔とお金かなって」と答え、ハイテンションで何度も「お金」を連呼していた。
「250万円の報酬のために人殺しに加担するなんてどうしようもないバカ。芸能人で殺人犯になったのは克美しげる、あとは『子連れ狼』の大五郎役だった元子役くらい。詐欺や薬物はあっても殺人はまずないですよ。そもそも人から見える部位に入れ墨を入れた時点で俳優の道は閉ざされるのが普通。彼は才能をドブに捨てましたよね」(芸能関係者)
背景にあるのは「金、金、金」。被害者を冒瀆(ぼうとく)するつもりはないが、宝島さん夫妻も金に執着していたという。犯行の動機ももちろん「金、金、金」。ただの紙切れが人の命よりも価値がある、そんな悪夢のような現実を見せつけられる事件である。
■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。