東京都は19日、令和5年の都内の基準地価(7月1日時点、1288地点)を公表した。都内全域の住宅地や商業地、工業地を含む全用途で前年比3・6%上昇し、11年連続でプラスとなった。新型コロナウイルス禍と重なる令和2~4年の3年間は0・1~1・7%の上昇だったが、5年はコロナ禍前の元年(4・1%)の水準まで回復した。23区全域729地点はいずれもプラスか横ばいで、下落した地点はなかった。
住宅地
住宅地で1平方メートル当たりの最高額は5年連続で「港区赤坂1-14-11」で524万円。2位は「千代田区六番町6番1」(439万円)、3位は「千代田区三番町9番4」と続いた。
23区の区別で上昇率が最も高かったのは豊島区の6・2%(前年3・3%)で、6・1%の文京区、いずれも5・5%の品川区と荒川区が続いた。
23区全域の上昇率は4・2%で、前年(2・2%)から上昇幅が拡大した。上昇率が最も高かった地点は「豊島区北大塚1-24-3」で6・9%。上位5位には、池袋が位置する豊島区の3地点がランクインし、都の担当者は「コロナ5類移行により出社する人が増える中、池袋周辺は、都心へのアクセスが良く、比較的割安感のあるマンションが多いことなどが影響した」と分析する。
多摩地区全域の上昇率は2・1%となった。26市2町がプラスとなり、1町1村が横ばいだった。市町村別で上昇率が最も高かったのは国立市の4・4%(前年2・7%)で、狛江市の4・1%、国分寺市の3・9%が続いた。
商業地
商業地で1平方メートル当たりの最高額は18年連続で「中央区銀座2-6-7」(明治屋銀座ビル)の4010万円(前年3930万円)だった。
23区全域の上昇率は5・1%(前年2・2%)となり、全23区でプラスに。区別で上昇率が最も高かったのは北区の7・3%(前年3・7%)で、台東区の7・0%、文京区の6・8%が続いた。上昇率が最も高かった地点は「台東区浅草1-29-6」で11・9%。浅草エリアが上位1~4位を独占し、都の担当者は「インバウンド(訪日客)需要のさらなる拡大への期待が反映されたのでは」と分析する。
多摩地区全域の上昇率は2・9%となった。26市1町がプラスとなり、1町が横ばいだった。市町村別で上昇率が最も高かったのは国分寺市の6・2%(前年2・0%)で、国立市の4・8%、武蔵野市の4・7%が続いた。