新聞通じ判断・表現力学ぶ 東京都八王子市立石川中 国語・社会 全校で取り入れ

東京都八王子市立石川中学校(木暮恵一郎校長)は、NIEに学校全体で取り組むため、教科の授業に取り入れている。国語科で「意見発表会」の題材に新聞を活用したり、社会科の課題や総合的な学習の時間における「職業体験」の報告に号外新聞を作成したりしている。木暮校長は「NIEを通じて、学習指導要領に示されている思考、判断、表現力が身に付き、主体的に学習に取り組む態度が育成できる」としている。

意見発表会の題材に

八王子市の重点施策として近隣の小学校2校と小中一貫教育を推進している同校には、「小中意見発表会」という恒例行事がある。令和3、4年度は2年生が10月の発表会に向けて、新聞記事を使い、意見書をまとめた。

作業は1学期からスタート。まず新聞6紙から、気になった記事を選別し、ワークシートに張った。生徒はワークシートに従いながら、選んだ記事のキーワードを見つけ、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)を抽出し、内容を要約。自分の意見や疑問点を書き込んだ。

夏休みの宿題で、ワークシートを見ながら1200字の意見文を作成。2学期にクラスから1人ずつ代表を選出した。発表会では、公園に障害の有無にかかわらず遊べるインクルーシブ遊具が導入された記事を基に「健常者と障害者が交流を通じて差別意識をなくせる」といった意見が披露された。

題材に新聞を活用したねらいについて、担当の生沼資康教諭は、①新聞から社会問題に興味を持つ②内容を理解するため自ら調べる③自分の意見を持つ④聞き手を意識した発表-の4点を挙げた。

社会問題に苦手意識を持つ生徒もワークシートなどの指導を通じて、意見をまとめられたという。

アプリで号外新聞作成も

社会科では、今年度の夏休みの課題に新聞づくりを取り入れた。2年生が「社会問題」「八王子市の話題」「地理・歴史のまとめ」の3テーマから1つを選択し、産経新聞の号外作成アプリ「かんたん号外くん」を利用した。

生徒は新聞や八王子市役所の資料などから題材を探し、原稿を執筆。担当した斉藤征俊教諭からオンラインで指導を受けた。2学期に「号外くん」で写真や見出しを加え、紙面を完成させた。

斉藤教諭は「生徒は興味や関心を持って取り組んだ。現地を訪れたり図書館へ何度も通ったり、親と意見交換をするなど、調べ方を学ぶ点でも、主体的な学習ができたのではないか」と評価した。作品は廊下に掲示され、生徒同士で評価し合った。評価を参考に、記事や見出しがより良くなるような取り組みをさせたいという。

同校は近くの企業や図書館などで職業体験を実施しており、その発表にも「号外くん」を活用。仕事の内容や感想を記事にまとめ、一番伝えたいことを見出しにすることで、考えを要約する力が付くとした。

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