国史跡「竹田城跡」(兵庫県朝来市和田山町)の呼称について、同市がこれまでの「たけだじょうせき」から「たけだじょうあと」に見直すことが19日、分かった。今後、新しい観光パンフレットなどで竹田城跡の読み方を記載する際は「たけだじょうあと」に統一するが、一般に強制はしないという。
竹田城跡の呼称については長年、「たけだじょうあと」「たけだじょうせき」が混在し、現在は「たけだじょうせき」の呼称が一般的。「但馬検定」のテキスト「但馬事典」も「たけだじょうせき」としている。
しかし、市議会で議員から「全国の城跡は『○○じょうあと』と呼称している。竹田城跡も『たけだじょうあと』で統一すべきだ」と指摘があったことを受け、同市観光交流課が「文化庁の国史跡の場合は『○○じょうあと』の呼称なので、朝来市も見直したい」として検討を進めた。
ただ、「一般では昔から『たけだじょうせき』の呼び名はなじみがあり、呼称の統一を強制する予定はない」という。
同市和田山町で長年、竹田城跡の写真を撮影している「和田山写真クラブ」の吉田利栄さん(91)は「子供のころから竹田城跡は『たけだじょうせき』といっていた。今更、呼称変更はしなくていいと思う」と話した。
竹田城跡は、古城山(353メートル)山頂に築かれた戦国時代の山城遺構。東西約100メートル、南北約400メートルの石垣を含む山全体が、トラが伏せているように見えることから「虎臥(とらふす)城」とも呼ばれ、平成18年に「日本100名城」に選ばれた。
これから迎える秋の観光シーズンには幻想的な雲海が見られ、竹田城跡は雲海に浮かぶ光景から「天空の城」として人気がある。