NHK連続テレビ小説「らんまん」の第121話が18日、放送され、主人公、槙野万太郎(神木隆之介)の子供たちが、神社の森を守りたいと切望する父の気持ちに寄り添い、視聴者の感動を誘った。
日本の植物学の父、牧野富太郎氏をモデルに、激動の時代にひたすら愛する草花と向き合い続けた植物学者の波瀾万丈の生涯を描く「らんまん」。物語が残り2週となるなか、万太郎は、国が進める神社合祀令によって神社の森が失われることに心を痛め、森の植物を保護したいという一植物学者としての思いと、国の方針に逆らえない東大植物学教室の助手という立場の間で揺れていた。
万太郎の辞意表明に子供たちは一斉にため息をつくが…
物語はこの日から第25週「ムラサキカタバミ」(第121~125話)に入り、万太郎は、妻の寿恵子(浜辺美波)や子供たちに大学を辞めることを相談。寿恵子は呆れつつも理解を示して夫の考えを受け入れ、そんな両親を見た4人の子供たちも一斉に大きくため息をついた。
新聞記者を目指しながら一高に通う次男の大喜(木村風太)は、国のほうがバカげていると憤慨。木々が根を張ることで山崩れを防いでおり、災害の多い日本では木が重要だと学校で習ったばかりだと話した。忙しい両親に代わって家事をこなすしっかり者の千歳(遠藤さくら)は、目先の金のために伐採し、払い下げたあとは放置するようなやり方が本当に村の人たちのためになっているのかと疑問を口にした。役所勤めをしている長男の百喜(松岡広大)は、日露戦争以降、「国民は国を愛せ」と強調される機会が増えたとし、愛国心はもっと身近なふるさとへの愛着から生まれるものではないかと主張。千歳も、ふるさとの御神木が切られたら悲しい、近所の根津神社が取り潰しになればもう根津ではなくなると同意し、末娘の千鶴(横山芽生)は伐採で鳥がいなくなるなど、生態系の変化を危惧した。4人は万太郎の辞意を後押しし、自分たちが働いて生活を支えると励ました。