金融庁、19日に損保ジャパン立ち入り ビッグモーター不正

損害保険ジャパンの本社ビル(三尾郁恵撮影)
損害保険ジャパンの本社ビル(三尾郁恵撮影)

中古車販売大手ビッグモーター(BM)による自動車保険の保険金不正請求問題で、金融庁は19日、BMと損害保険ジャパンに対し立ち入り検査を実施する。BMが保険金を過大請求し、損保ジャパンは不正の疑いを把握しながらBMとの取引を続けた経緯を徹底的に調べる。損保ジャパンの親会社、SOMPOホールディングス(HD)の監督責任も焦点となる。

鈴木俊一金融担当相が12日の閣議後の記者会見で、19日の検査実施を予告していた。金融庁が検査の日程を事前に明かすのは異例。一連の問題は社会的な関心が極めて高く、厳然と臨む姿勢を強調する狙いだ。調査の中で保険契約者保護の観点から問題が見つかれば、業務改善命令などの行政処分も視野に入れる。

金融庁が特に問題視するのが、損保ジャパンによるBMへの事故車の斡旋(あっせん)再開の対応だ。損保ジャパンなど損害保険大手3社は昨年6月に不正の疑いを受け斡旋を停止したが、損保ジャパンはその後、不正ではないとするBMの報告を踏まえて斡旋を単独で再開した。白川儀一社長は判断に誤りがあったとして辞任を表明している。

BMの損害査定で調査員の査定を省略した簡易調査を導入した背景や、他の損保会社より大幅に多い37人もの出向者をBMに出した経緯も検査の大きなポイントだ。さらにSOMPOHDの桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者(CEO)が斡旋再開を知ったのは決定から1カ月以上も後といい、企業統治の在り方も重点調査する。

金融庁は「経営管理体制の課題にも踏み込んだ上で、問題の根本原因を特定すべく深みのある実態把握を進める」(鈴木氏)構えだ。

一方、ビッグモーターは損保会社と代理店契約を結んで自動車保険を扱っている。保険代理店としての立場を悪用し、虚偽の保険契約を結んでいたことなどを調べる。(中村智隆)

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