酒の味わいを「見える化」し、各自の好みに合った酒選びのサポートサービスの事業を展開するSAKELAVO(さいたま市浦和区)。坂下慧志郎(けいしろう)社長(32)は、国内市場のみならず、日本酒の海外発信などグローバルなビジネス展開を視野に入れる。
--創業したきっかけや経営理念は
「まさに感動する出会いがあったからだと思います。お酢メーカーの営業として勤めながら将来のことを考えたとき、現在の共同創業者である神谷豊明氏と出会いました。シニアソムリエでもある神谷氏と一緒にワイン事業を行うようになり、お酒のど素人だった私がそこで得た知識や新しいお酒との出合いで起こった感動をもっと多くの人に感じてほしいと思い、SAKELAVOサービスを開始しました」
--現在注力している事業内容やターゲットは 「現在、全国約500のスーパーの店頭においてスマートフォンなどでQRコードを読み取ると、陳列されているワインなどの味わいデータが分かり、初心者でも失敗の少ない購入をサポートできる当社アプリを利用いただいています。実際にその場で飲むことなく、消費者がより選ぶ楽しみや自分の好みに合った商品を自分の手で選択できます。企業側には条件によって無料、あるいは月額定額制などでSAKELAVOアプリシステムを導入いただくほか、当社で開発した『基準の酒』を購入いただくことなどで収益を出しています」
--今に至るご苦労や思いは
「『味わいからお酒を探す』という概念がなかなか広げられておらず、分かりやすいお酒の探し方を常に模索しています。味を数値化して『見える化』しただけでいきなり買えるようになるとは思っておらず、初心者の方の買いやすさ、飲みやすさを示し、サポートできるようなシステムにしていきたいです」
--新たに取り組みたい事業・開発案件、ご自身の短期・中長期の目標は
「これまでは消費者向けサービスを中心としてきましたが、卸やスーパーの売り場員のサポートにつなげてもらうなど、法人向けの事業を強化したいと考えています。また、今まではワインを主に国内市場開拓がメインでしたが、今後は、当社が商品開発した基準となる味わいの日本酒『基準の日本酒』の活用や、従来のアプリサービスを海外仕様にするなどで、海外のバイヤーや外国人の日本酒購入サポートにつながるような仕組みも構築したいと考えています」
--埼玉企業としての意気込みは
「埼玉を代表する企業を名乗るためにも、新しい時代に飛び込みながら時代を作る側へ回ることができるように頑張りたいです」
(聞き手 那須慎一)
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会社概要
・所在地:浦和区東高砂町21の14(11月1日~本社移転予定)
・設立年月日:令和元年6月
・主な事業内容:アプリツール提供
・資本金:(5年8月1日現在)980万円
・理念:「感動するお酒との出会いを」
・主な受賞歴:令和元年「さいたま市ビジネスコンテスト」で新人起業家賞受賞