JFEスチールは16日、川崎市にある東日本製鉄所京浜地区の第2高炉(炉容積5000立方メートル)を休止した。鉄鋼需要の減少を受けて生産設備を集約し、国内で稼働する高炉は千葉地区(千葉市)などの7基体制とする。休止後の跡地は、水素の供給など脱炭素化を先導するエリアに転換する。
京浜地区は1912(明治45)年に前身の日本鋼管が創業し、鉄鋼の生産量は累計で約2億8000万トンに及ぶ。2基あった高炉のうち1基は平成16年に休止した。第2高炉の休止後も、西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)から受け入れた素材を厚板に加工するなどの工程は残す。
JFEの粗鋼生産能力は年間で400万トン減って2600万トンとなる。一方で電気自動車(EV)用の電磁鋼板など、付加価値の高い製品に経営資源を集中できるため、令和6年度末までに計約850億円の収益改善効果が見込まれる。