鉄道の運行ダイヤ作成に人工知能(AI)を活用する試みが広がりつつある。知識や経験に頼りがちだった作業を最新技術に〝継承〟させることで、ダイヤ作成の重要な手段となることが期待されている。
運行ダイヤを作る際、どの列車がどの駅にいつ到着するのかが分かるよう、列車運行図表(ダイヤグラム)を作成する。図表に筋を引くことから、担当者は「スジ屋」と呼ばれる。
運行トラブルが起きた場合、速やかにダイヤを組み直す「運転整理」と呼ばれる作業が必要になる。近年は相互乗り入れ、列車の種類、本数などが複雑化。ベテランスジ屋は減少し、経験の浅い若手への技術の継承が課題となっている。
そんな中、NEC(東京)はトラブルが起きた際に最適なダイヤを短時間で作るAIを開発。既に小田急電鉄と協力し、実際のダイヤを使っての検証も実施し、令和7年度の実用化を目指している。
JR西日本もベンチャー企業とダイヤ作成AIの開発に本腰を入れている。