北京春秋

2012年との変化

北京の日本大使館付近を警戒する警察車両=8月27日(共同)
北京の日本大使館付近を警戒する警察車両=8月27日(共同)

「また緊張の日々が始まるのか…」

8月24日に東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まった後、北京に住む日本人からこのような不安の声を度々聞いた。在留邦人の多くは、2012年の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化を受けて反日デモが広がり、日系企業の焼き打ちまで起きたことを思い出し身構えた。北京の日本大使館にれんが片が投げ込まれるといった嫌がらせもあり緊張は高まった。

事態はまだ流動的で気は抜けないが、今のところ現地で「反日」は大きく広がっていないというのが実感だ。自分自身も、街中などで日本人だと知られて不快な思いをしたことや危険な目に遭ったことはない。北京滞在歴10年超の邦人女性は「12年の時はタクシーで『日本人はダメ!』と乗車拒否されることもあったが、今回はそこまでの厳しい雰囲気はない」と話す。

11年前との変化の理由はさまざまあるだろうが、北京に住む知人の中国人男性は「この間、日本へ旅行に行った人が増えるなど日本との関わりは広がった。都市部を中心に中国人も冷静になったと思う」との見方を示した。折しも中国では9月末から大型連休が始まり、日本を訪れる旅行客も増えるだろう。その人たちが日本に良い印象を持って中国に戻ってほしいと願う。(三塚聖平)

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