将棋 第71期王座戦五番勝負第2局(12日、神戸市「ホテルオークラ神戸」、主催・日本経済新聞社、日本将棋連盟)前人未到の全8冠独占に挑戦する後手の藤井聡太七冠(21)が5連覇&名誉王座資格獲得を狙う永瀬拓矢王座(31)に214手でシリーズ初勝利。対戦成績を1勝1敗のタイとした。
藤井七冠は勝率が若干落ちる後手番ながら二転三転の展開に持ち込み、ギリギリのところで勝利したという印象だ。
序盤は受け身からカウンターを狙う右玉(玉を右に囲う)の作戦。藤井七冠としては珍しい展開で意表を突いたが、永瀬王座は巧みに攻めながら主導権を握り、藤井七冠はカウンターを繰り出しながら何とか食らいついた。
終盤、藤井七冠は永瀬王座らしい体力勝負のゆっくりとした攻めに追い込まれたが、相手の判断ミスとなる▲4一金を見逃さずに一気に形勢逆転。粘る永瀬王座を振り切った。
終盤で永瀬王座に力みが出て攻めを急いでしまったように見えたが、藤井七冠の底力が見えない重圧になったのでは。勝敗は1勝1敗と振り出しに戻った。藤井七冠にとってこの1勝は自信になり、王座奪取と8冠達成に大きく前進したとみる。(談)