現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」で、「語り」を務める女優の宮﨑あおいが合同取材会で、収録を通して感じたこと、作品への思い、今後の見どころなどについて語った。その模様を前後編の2回に分けて紹介する。
日本の植物学の父、牧野富太郎さんをモデルに、激動の時代にひたすら愛する草花と向き合い続けた植物学者、槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾万丈の生涯を描く物語。宮﨑は2006年前期の「純情きらり」で朝ドラ初主演し、15年後期の「あさが来た」では、波瑠が演じたヒロインの姉を演じた。本作では初めて朝ドラの語りを務めている。
園子が亡くなる場面では…
――思わず気分が乗ってしまった場面はありましたか?
「(万太郎と寿恵子の第一子)園ちゃんや、誰かが亡くなる場面などは、どうしても感情が乗ってしまうところでもあるので、最初に台本読んだときに、わぁーと一度泣いて、ナレーションの時は俯瞰で見られるようにしていました。子供が亡くなるのは耐えられないことですが、感情を乗せすぎず、でもどうしても乗ってしまうところは、乗ってもいいものだとも思うので素直に演じて、もちろん監督からは『ここはこうしてください』という指示をいただけるので、その都度修正していく感じでした」
――もっとも感情移入して見ている登場人物は?
「特定の人物に感情移入しているというよりは、大畑印刷所ではこの人、長屋ではこの人など、場所ごとに好きな人がいるという感じですね。台本がすばらしいのはもちろんなのですが、脇を固められている役者さんたちが皆生き生きと動いている感じがすごく伝わってくるので、好きな登場人物がたくさんいます」
――長屋に行ってみたくなる?
「そうですね! あんな風に一緒に食卓を囲んで皆で同じものを食べるのはいいですよね」
元朝ドラヒロインが見た神木、浜辺
――神木さんが主演した映画「大名倒産」(23年)で共演経験がある宮﨑さんから見た神木さんの演じる万太郎の魅力、神木さんご本人の魅力とは?
「神木さんは座長としてすばらしいと思います。『大名倒産』では1日お会いしただけだったのですが、この方が中心に立っている作品は大丈夫といいますか、幸せな作品だなと感じました。『らんまん』でスタジオにいる神木さんとお会いした時も同じことを感じて。私はナレーションという立場ですので、キャストのみなさんと毎日一緒に現場にいるわけではないですし、たまに顔を出すくらいですが、それでもその時には『いらっしゃいませ! ようこそ!』というように、両手を広げてウェルカムしてくれる感じがすてきだと思いました。神木さん自身が心から楽しんでいるからこそ、物語もより膨らんでいる感じがするし、ほかの共演者を引っ張っていくのもお上手なんだろうなと。私は万太郎のファンでもあるので、神木さんが演じているからこそ魅力的な主人公になっていると思いました」