現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」で、「語り」を務める女優の宮﨑あおいが合同取材会で、収録を通して感じたこと、作品への思い、今後の見どころなどについて語った。その模様を前後編の2回に分けて紹介する。
日本の植物学の父、牧野富太郎さんをモデルに、激動の時代にひたすら愛する草花と向き合い続けた植物学者、槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾万丈の生涯を描く物語。宮﨑は2006年前期の「純情きらり」で朝ドラ初主演し、15年後期の「あさが来た」では、波瑠が演じたヒロインの姉を演じた。本作では初めて朝ドラの語りを務めている。
また朝ドラに参加させてもらえてすごく幸せ
――語りを務めることが決まった時の心境は?
「とてもうれしかったです! このようなかたちでまた朝ドラに参加させてもらえるという喜びがあって、台本を開くと、以前お世話になったスタッフの方の名前が並んでいて、すぐに『絶対やりたいです!』とお返事をしました」
――久しぶりの再会もありましたか?
「たくさんありました。NHKに来ると知っている方も多いので廊下を歩いているだけで楽しかったりして。10年ぶりにお会いするスタッフの方もいましたし、それでも変わらず当時の話ができるのは、一緒に良いお仕事をさせてもらえたおかげだと思っています。そしていろんなご縁がつながって、また『らんまん』に参加させてもらえてすごく幸せです」
聞き取りやすいように、近すぎず、離れすぎずの距離感で
――語りで心がけていることは?
「いろんな世代の方が見ていてくださるものなので、聞き取りやすいようにということは意識しているところです。今回は、主人公のお母さん役というようなキャラクター設定があってのナレーションではなかったので、より客観的に、近すぎず、離れすぎずといった距離感で伝えられたらいいのかなと思いました」
――これまで経験されたドキュメンタリー、アニメなどのナレーションとの違いはありますか?
「たとえば10月1日から新シリーズが始まる作家、角野栄子さんのドキュメンタリー『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし』では、ものすごく自分の等身大で、角野さんが大好きという気持ちを乗せてお話をしている感じです。いろいろなものを抱えていらっしゃる方に取材したドキュメンタリーでは、もう少し俯瞰で見たナレーションの読み方になったりなど、映っている人によって自分の感情が変わっていく気がします。ジャンルの違いというよりは、作品ごとに向き合い方を変えています」