習近平国家主席率いる中国が「自滅」しつつある。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反発して、日本産水産物を禁輸したうえ、日本向けの迷惑電話を放置している。北京の日本大使館や各地の日本人学校には、レンガ片や石が投げ込まれている。IAEA(国際原子力機関)の科学的評価を無視するのか。常軌を逸した暴挙の背景には、中国の不動産危機が金融危機に発展し、経済崩壊が現実味を帯びてきたことがありそうだ。岸田文雄首相は、「親中派のドン」こと自民党の二階俊博元幹事長に訪中を要請したが、狼狽(ろうばい)することはない。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、中国の「焦りと無能ぶり」に迫った。
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中国が、福島第1原発処理水の海洋放出に反発し、日本各地の旅館や飲食店などに「迷惑電話」攻勢をかけている。経済が崩壊し始めた習政権の焦りと無能、トンチンカンぶりを見事にさらけ出した格好だ。
習政権のドタバタは、処理水問題が起きる前から際立っていた。それは、経済への対応に示されている。
不動産開発大手「中国恒大集団」が、米国で連邦破産法15条を申請したのに続き、最大手「碧桂園」(カントリー・ガーデン)の経営危機も表面化し、不動産バブルの崩壊は覆い隠せなくなった。