夏の長期ロード終盤の8月24日。阪神・岡田彰布監督(65)が「ムチを入れる言うても…。そんなムチを入れんでも逃げるやろ、逃げ馬は」とアレ(優勝)を意識する発言をした。広島の猛追を受ける中だったが、営業関係者のXデーにむけての準備も本格的に始まった。
気になるのは阪神がアレを達成したら最優秀選手、いわゆるMVPは誰になるか、だ。昨年リーグ制覇したヤクルトは三冠王に輝いた村上が〝満票受賞〟した。
先日、岡田監督は雑談の中で「タイトルホルダーなしで優勝、という記事を書きたい記者もおるんやろな」とニヤリ。セ・リーグでは過去に前例がないそうだが、厳密にいえば、今年の阪神はタイトルホルダーがゼロではない。
近本は2位以下を大きく引き離し、2年連続4度目の盗塁王獲得が決定的にしているのだ。だが、打撃の主要タイトルでもある「本塁打」「首位打者」「打点」を争う選手はいない。9月2日現在、3割打者はゼロ。打点もDeNA・牧が90打点で1位を走っており、佐藤輝は16本でチーム本塁打トップだが、巨人・岡本和は36本塁打。2倍以上打っている。
岡田監督は「(広い)甲子園でホームランは期待しとったらアカンよ。東京ドームでやるのとは(全然)違うで」と本拠地球場の違いを強調する。実際に、阪神の本塁打王は1986年のバースが最後だ。