飯島栄治八段解説

藤井七冠、終盤力封じられた らしくない指し手も…初めて苦しいシリーズに? 王座戦第1局/将棋

将棋の第71期王座戦五番勝負の第1局で永瀬拓矢王座(右)に敗れ、対局を振り返る藤井聡太七冠=31日、神奈川県秦野市(飯田英男撮影)
将棋の第71期王座戦五番勝負の第1局で永瀬拓矢王座(右)に敗れ、対局を振り返る藤井聡太七冠=31日、神奈川県秦野市(飯田英男撮影)

将棋・第71期王座戦五番勝負第1局(31日、神奈川県秦野市・「元湯 陣屋」)挑戦者で全8冠制覇を目指す藤井聡太七冠(21)は、150手で永瀬拓矢王座(30)に敗れ、黒星発進となった。

開幕局から、すごい将棋だった。藤井七冠がこのような形で逆転負けを食らうのは、見たことがない。私の口癖「凄くないですか」の〝史上最大バージョン〟と言えるくらい驚きの展開だった。

藤井七冠の精密機械が誤作動したのだろうか。中盤まではペースを握っていた。が、永瀬王座の84手目△2六香で流れが変わった。これを▲同飛と取ったのも良くなかったし、その後も藤井七冠らしくない指し手が多かった。もともと受けと粘りが身上の永瀬王座が、自分の世界にズルズルと引きずり込んだ。〝泥仕合〟のような長い展開では永瀬王座に分がある。

以前からの研究仲間で、当初は永瀬王座を苦手にしていた。最初の頃の相手に対する恐怖心のようなものは、プロでもなかなか拭い去れるものではない。

お互いの思いがぶつかり合う名局だったが、藤井七冠は持ち前の終盤力が封じられ、有利な先手番で敗れたこともあり痛い黒星。シリーズの展開は全く読めなくなった。タイトル戦で敗退したことのない天才が、初めて追いつめられる可能性がある。何やらただならぬ雰囲気が漂っているのを感じるが、次の第2局が全てを握っていることは間違いない。(談)


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