関東大震災から100年となる9月1日の「防災の日」を前に、ペットの身元確認ができるマイクロチップの装着を、ペット保険のアニコム損害保険(東京)が呼び掛けている。東日本大震災など過去の災害時には、被災した飼い主とはぐれるペットが相次いだ。犬や猫へのマイクロチップ装着は昨年から販売業者に義務付けられるようになったが、同社の調査では装着率は必ずしも高くないという。
調査は、同社の契約者向けアンケートサイトで7月28日から8月13日にかけて実施。1130人から回答があり、マイクロチップを装着している犬は73%、猫は56%だった。猫は犬に比べ室内飼いが多く、予防接種などで病院に行く機会も少ないことから装着率が低かったとみられる。
昨年6月に施行された改正動物愛護法は繁殖業者やペットショップに対し、新たに販売する犬や猫にマイクロチップを装着することを義務付けた。ただ、それ以前から飼われていたり、保健所で譲渡されたりする犬猫への装着は、努力義務にとどまっている。
マイクロチップは長さ1センチ、直径2ミリほどの円筒形で、首付近の皮膚に注射器で埋め込む。調査への回答では未装着の理由として「体内に異物を入れることに抵抗がある」「健康への影響が心配」といった回答があり、同社は「装着による健康への影響はない。災害時の万が一に備えて装着を進めてほしい」と勧めている。