香港政府が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に絡み、輸入禁止対象でない道府県で取れた水産物も、東京の豊洲市場など10都県で別の箱に詰め替えた場合は輸入を認めていないことが、関連業者などの話で30日分かった。香港は24日に東京など10都県の水産物の輸入を禁止したが、10都県を経由する水産物は容認。ただ詰め替え作業は認めない厳格な運用で、対象外の地域の水産物に対しても実質的に輸入規制がかかる形。水産物輸出に影響が広がりそうだ。
輸入業者によると、豊洲市場を経て輸出される水産物の一部は、各産地の水産物を競り落とした後に客ごとに箱に詰め直されているという。香港政府は禁輸対象の水産物が紛れ込むのを懸念しているとみられる。
香港当局が29日に業者向け説明会を開き、詰め替えを認めない措置などを伝えた。別の業者によると、詰め替えていない水産物の輸入はできているという。(共同)