大阪市此花区の舞洲にあるサッカーJ1、セレッソ大阪の練習場に30日、「謎の練習生」が現れた。ピンク色のセレッソ大阪のトレーニングウエアを着て、短い距離の軽いランニングを繰り返す。同じグラウンドで練習していた女子チーム、セレッソ大阪ヤンマーレディースの選手らも興味深そうに動きに注目していた。
Jリーグのクラブでは、海外に移籍した選手が「謎の練習生」として古巣のグラウンドに現れることがある。しかし、今回の練習生はまったく違った。
正体は、ブダペストで行われた陸上の世界選手権の男子100メートルで6位に入賞したサニブラウン・ハキーム(東レ)。ファイナリストは前日に帰国し、この日は親交のある香川真司のツテで、セレッソ大阪の練習場で軽く体を動かした。
サニブラウンはセレッソ大阪のトレーニングも見学。香川とも面会を果たした。報道陣の取材に応じたサニブラウンは「ピンク色が似あっている? 入団希望のFWです」と冗談を交えながら「漫画とかテレビとかでしか見たことがない光景だったので、新鮮ですね。サッカーは親の影響で好きでやっていたんですけど、あんまりうまくないんで、人並み程度…。でも、ボールを追いかけるのとかは楽しいんで…」と見学の印象を話して「何回か(香川がかつて所属していた)ドルトムントの試合を見に行ったりとか、兄貴ですね」と香川との関係を語った。
一方、香川は「彼が16歳ぐらいのころから交流があって、たまに会ったり、ご飯を食べたりしている。彼も競技者として米国に行って夢を追ってやっている。サッカーだけじゃなく、陸上界もどんどん世界に出ていくようになっている。彼が結果を残していくことが、これからの陸上界にとって非常に大事だと思う。まだまだ若いし、大きな大会でメダルとか目に見える結果を残したいと思っていると思うので、次、頑張ってほしい」とエールをおくった。