兵庫県加古川市の市立小で図工の授業中、マイナスドライバーの先端が女子児童の目に当たってけがを負ったのは、担当教諭が注意義務を怠ったのが原因などとして、女児と両親が市に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は市側の上告を受理しない決定をした。23日付。市に約2080万円の支払いを命じた2審判決が確定した。
判決によると、令和元年11月、木工作品を作る小4の図工の授業で、教諭はくぎ抜きが木材に差し込めない場合に、マイナスドライバーで「てこの原理」を使うよう指導。指示に従った同級生のドライバーが滑り、先端が女児の左目に当たった。女児は大幅に視力が低下し、斜視などの後遺症を負った。
昨年5月の1審神戸地裁姫路支部判決は請求を棄却したが、今年1月の2審大阪高裁判決は児童らにドライバーの使用は難易度が高く、適切な使い方ではなかったと指摘。「教諭は十分な説明や指導を怠った」として注意義務違反を認定した。