ロシアの経済紙RBK(電子版)は22日、複数の消息筋の話として、ウクライナ侵略で露軍の副司令官を務めるスロビキン露航空宇宙軍総司令官が両職を解任されたと報じた。露国防省の決定だとしている。RBKとは別に、露リベラル派ラジオ局「エホ・モスクブイ」の元編集長でジャーナリストのベネディクトフ氏も22日、スロビキン氏の解任を交流サイト(SNS)で報告した。
スロビキン氏は6月にロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏と盟友関係にあったとされ、反乱発生後、公の場に姿を現していない。スロビキン氏を巡っては、反乱計画を事前に知りながら報告を怠った疑いなどで拘束されたとの情報も出ていた。
RBKやベネディクトフ氏は、スロビキン氏の解任と反乱との関連について言及していない。
ウクライナ侵略でスロビキン氏はワグネルと連携して東部での作戦を主導。昨年10月、露軍の総司令官に就任した。露軍が孤立していた南部ヘルソン州のドニエプル川西岸地域の放棄を決断するなど合理的な戦略家とされ、プリゴジン氏からも高く評価されていた。
ショイグ露国防相は今年1月、ゲラシモフ参謀総長を露軍の総司令官とし、スロビキン氏を副司令官に降格。ショイグ、ゲラシモフ両氏と対立するプリゴジン氏は人事を非難していた。