日本の植物学の父、牧野富太郎氏をモデルに、激動の時代にひたすら愛する草花と向き合い続けた植物学者、槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾万丈の生涯を描くNHK連続テレビ小説「らんまん」。第21週「ノジギク」(第101~105話)の第104話が24日、放送される。
植物学への情熱や才能に焦りを感じるなどして、事実上、万太郎を植物学の世界から追放した田邊彰久(要潤)だったが、後ろ盾を失ったことで出世争いから脱落。これを機に植物学に専念し、「キレンゲショウマ」を新属新種と特定して学名をつけ発表するという日本の植物学者として初の快挙を成し遂げたが、その矢先、教授職を非職となり、かつての部下、徳永政市(田中哲司)が帝国理科大学植物学教室の教授に就任した。
第21週「ノジギク」振り返り
万太郎が借金を重ねながら十一集まで作り上げた「日本植物志図譜」は依然として版元が見つからず、妻の寿恵子(浜辺美波)は家計の苦しさから、大切にしていた「里見八犬伝」を質入れに行った。そこで目にした古新聞で田邊の溺死を知った寿恵子は急いで帰宅。記事を読んだ万太郎は絶句した。
数カ月後、万太郎は、長屋へ訪ねてきた田邊の妻、聡子(中田青渚)から遺言を伝えられ、田邊の望んだとおり、彼のすべての蔵書を引き取ることを決めた。妊娠中の聡子は、田邊が残した子供たちとこれまで通り、田邊邸で暮らしていくつもりだという。万太郎は、植物学を広めるという田邊の志を継いでいきたいと寿恵子に話し、植物学の門を閉ざしてしまっている大学の現状を嘆いた。万太郎のもとには、日本中から手紙が届いており、その返事を書くことで、植物学の種をまき芽吹かせていくことが今の自分にできることだと力を込めた。
一方、寿恵子(浜辺美波)は、家計を助けるため、また万太郎の図鑑を作る夢をかなえるために、久々に料亭「巳佐登」を営む叔母の笠崎みえ(宮澤エマ)に会いに行った。