北海道蘭越町で地熱資源の調査掘削中に蒸気が噴出した問題で、蒸気の噴出がほぼ収まったことが19日、調査主体の三井石油開発(東京)への取材で分かった。同社は掘削した井戸の中に注水して冷却した効果が出たとみている。注水を当面継続し、今月下旬をめどに、砂利やセメントで井戸を埋め立てる作業を始める予定。
同社によると、蒸気噴出は6月29日午前に始まった。同社は注水を今月12日に開始し、13日に一時中断した後、18日に方法を改良して再開。19日午前の時点では、蒸気の噴出は目視でほぼ確認できなくなったという。
問題発生以降、近くの川や飲用の井戸水からヒ素が検出され、現場関係者や周辺を訪れた人など19人が体調不良を訴えている。担当者は「状況を注視し、一刻も早い抑制に全力で取り組んでいく」と話した。