北海道幌加内町は5日、釣り客がクマに襲われて死亡した事故を受け、利用を中止していたキャンプ場など朱鞠内湖の施設を一部再開したと明らかにした。5月14日の事故後、町などは湖周辺に監視カメラ20台以上を設置し警戒を続けてきたが、クマの痕跡が確認されなかったことから安全が確保できると判断した。
再開したのはNPO法人が運営する3カ所のキャンプ場のうち1カ所と、朱鞠内観光汽船の遊覧船や貸しボートで、利用時間はいずれも午前9時~午後5時。ボートは前浜から見える範囲での利用に限定した。襲われた男性が利用した渡し船は営業中止を継続し、釣りの自粛も求めている。クマのキャンプ場への進入を防ぐため電気柵を設ける準備を進めている。
士別署などによると、釣り客の男性=興部町=は5月14日早朝、朱鞠内湖の湖岸で雄のヒグマに襲われ死亡した。翌15日に周辺でハンターが体長約1・6メートルの雄グマを駆除した。