平成28年に交際していた京都府井手町の女性を殺害したとして、殺人罪に問われた無職、末海征河被告(26)は5日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた裁判員裁判初公判で「殺していません」と起訴内容を否認した。弁護側も殺した事実はないと主張した。女性の遺体を遺棄したとする死体遺棄罪は3年の公訴時効が成立している。
冒頭陳述で検察側は、被告が自らの子を妊娠した女性を殺害後、女性のスマートフォンを操作するなど偽装工作をしたと指摘。遺体を遺棄した現場から母子手帳なども見つかったと明らかにした。弁護側は遺棄を認めたが、女性と口論になり、被告が目を離した間に女性が車内で充電コードを首に巻き付けて自殺したと主張した。
遺族は5日「裁判が終わったときに事実の一部だけでも明らかになってほしいという気持ちです」とのコメントを出した。
起訴状によると、28年10月22日午前1時半~2時ごろ、井手町内に止めた車の中で、助手席に座っていた専門学校生、木村京花さん=当時(19)=の首を両手で絞め、窒息させるなどして殺害したとしている。