2日に上映初日を迎えたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」で、一大ハイライトとなるのがメキシコとの準決勝で村上宗隆内野手(23)=ヤクルト=が放った逆転サヨナラ打。清水雅治外野守備・走塁コーチ(58)も今大会のベストシーンに挙げる。 (取材構成・山戸英州)
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「メキシコ戦は3点ビハインドから同点になったのに、また2点奪われて。野球のセオリーからいって、あれをひっくり返すのは正直かなり難しい。選手の『どうしても勝ちたい』という思いが伝わってきた。ムネ(村上)はかなり苦しんでいたから、サヨナラ打はうれしかったと思う」
昨季はチームで令和初の三冠王に輝き、リーグ2連覇に大きく貢献した村上。WBCでも大きな期待を背負い、初戦から4番を任されたが不振を極め、イタリアとの準々決勝から吉田(レッドソックス)に譲った。準決勝でも3三振と状態が上がらないまま、1点を追う9回裏無死一、二塁で打席が回ってきた。ベンチは牧原(ソフトバンク)に代え、送りバントさせる準備もしていた。