近鉄グループホールディングス(HD)は2日、延期していた令和5年3月期連結決算を発表した。売上高に当たる営業収益は前期比約2・3倍の1兆5610億円、最終利益は約2・1倍の887億円だった。昨年7月に国際物流を手がける近鉄エクスプレスを完全子会社化したことが寄与した。鉄道旅客収入はコロナ前の約8割まで回復したという。
傘下の近畿日本ツーリストが新型コロナウイルス関連の受託業務で自治体などに過大請求した問題を受け、5月の発表を見送っていた。大阪市で開いた決算記者会見で若井敬取締役専務執行役員は「お客さまの信頼を失い、旅行事業は今後厳しいものになる。グループとしておわび申し上げる」と謝罪した。
決算では、過大請求が判明した約14億円分を5月に発表予定だった営業収益から減額。調査費用などとして約9億円の特別損失を計上した。
6年3月期は、営業収益が前期比16・6%増の1兆8200億円、最終利益は50・4%減の440億円を見込む。