政府は2日、令和5年版の「ものづくり白書」を閣議決定した。ロシアによるウクライナ侵攻でサプライチェーン(供給網)の寸断リスクが高まる中、生産計画の変更などに迅速に対応できるよう、個社だけではなく供給網に関わる企業全体で連携を強化することが重要だと提言した。
白書では「経済対立・保護主義」や「政治的対立・デモ」が今後3年間で供給網に悪影響を与え得ると分析。調達先の把握や生産拠点の変更、拡大といった対応を企業に促した。
供給網を巡り、日本の製造業では企業間のデータ連携ができているのは2割程度にとどまると指摘した。海外の一部では企業の枠を超えたデータ共有が進み、供給網の可視化ができていると紹介。日本企業も同様の取り組みを進めることで、脱炭素化や人権保護といった世界的な課題解決にも寄与できるとした。