それって「アイフレイル」かも? 眼球の“変形”が引き起こす失明・視力障害のリスク

加齢で心身が弱った状態を意味する「フレイル」。健康維持のための配慮が必要な高齢者に対する早期介入の啓発を目的とした概念だが、一方で目の病気にフォーカスした「アイ(目)フレイル」が注目されている。フレイルが主に70代以上の高齢者を対象としているのに対し、アイフレイルは「高齢者になってからでは間に合わない」と専門家は指摘する。その問題にさらに追い打ちをかけているのが、若い世代を中心とする近視の急増だ。眼球が変形し、様々な眼科疾患の発症リスクを高めるとされる近視。スマートフォンなど手元で扱うデジタル端末が普及し、目を酷使する環境が悪化する状況に杏林大学病院アイセンターの山田昌和教授は「40歳を過ぎたら目の健康管理を積極的に行う必要がある」と警鐘を鳴らす。

目を酷使する環境はますます悪化するばかり…(Getty Images)※画像はイメージです
目を酷使する環境はますます悪化するばかり…(Getty Images)※画像はイメージです

心身に先駆けて始まる目の老化

近年、眼科領域で増加傾向にある疾患の一つに緑内障がある。視神経が障害され、視野が少しずつ欠ける病気で、一度欠けた視野は元に戻ることはなく、放っておくと徐々に進行し、最悪の場合は失明に至る場合もある。日本人の推定患者数は約400万人で、40歳以上の20人に1人が罹患(りかん)するといわれており、世界の緑内障患者数予測でも2020年から2030年の10年間でおよそ1.3倍に拡大するとの推計もある。同じくもう一つ増えているのが加齢黄斑変性。網膜の中心部の細胞が老化により萎縮したり出血したりすることで視力が低下する病気で、緑内障と同じく世界的に中途失明の主な原因となっている。

「目の病気そのものが増えているというよりは、目の病気が進行して視覚障害になるまで長生きする人が増えているんです」─こう指摘する山田教授。緑内障や加齢黄斑変性など、いわゆる高齢化に伴う目の疾患は、発展途上国では問題視されていない。つまり眼科疾患の増加も認知症などと同様、超高齢化に伴う疾病構造の変化が影響しているという。

「高齢者の病気」と思われがちな目の病気だが、このイメージに早期発見を妨げる“落とし穴”がある。例えば緑内障の場合、発症は40~50代に始まっていても症状は徐々に進行するため、初期段階では気づきにくく、自覚するほどの異変を感じた時点ではかなり進行しているケースも少なくない。

そうした眼科疾患の早期発見を促そうと提唱されたのが「アイフレイル」という概念だ。フレイルの語源となる英語の「Frailty」(フレイルティ)は、翻訳すると「虚弱」や「老衰」などを意味するが、「正しく介入すれば戻る」という意味を強調するために日本老年医学会が「フレイル」と提唱し、健康状態が悪化する前の早期介入の必要性を啓発している。

しかし、アイフレイルはフレイルよりももっと“上流”にあると山田教授は指摘する。「視覚障害は生活の質(QOL)を大きく低下させるだけでなく、認知症の発症・進行にもつながる。外出して活動する機会も減少するとうつ病になったり、運動不足で足腰が弱まったりと、視力障害がきっかけでドミノ倒し的に健康状態が悪化していく」とし、70歳前後を対象とするフレイルに対し、アイフレイルは40歳から認識する必要があると警鐘を鳴らす。

(日本眼科啓発会議より引用)

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