岸田文雄首相は29日、首相公邸に親族らを招いて忘年会を開き、「大ハシャギ」するなど不適切な行動があったと報じられた長男の翔太郎首相秘書官(政務担当)を6月1日付で辞職させると明らかにした。事実上の更迭である。ただ、今回の件では、セキュリティー上の問題を指摘する声は多い。メディアの続報も警戒される。野党などの追及は続きそうだ。
「度重なる『公私混同』、そして国民に対する説明や謝罪にも欠けていた。辞任は当然だ」
立憲民主党の泉健太代表は辞任を受け、こう指摘した。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、外部に写真が流出したことを問題視し、「立場をわきまえて行動するべきだった」と語った。国民民主党の玉木雄一郎代表も「辞職は当然だ。セキュリティーの観点から問題がある」と断じた。
翔太郎氏が公的スペースに部外者を入れたことに、与野党から批判が止まない。
ある野党ベテランは「首相公邸は、国内外の要人らを招く公的施設でもある。安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから、警備上の懸念が高まっている。招待した人物の身元を含め、再チェックする必要があるのではないか。国民は『政治の私物化』を疑っている。どういった『会合』だったかを明らかにすべきだ」と厳しく批判する。