ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題をめぐり、北野武監督(76)が「こうした話は(この業界に)ずっとあった」と指摘したことが26日までに分かった。
新作映画「首」が「第76回カンヌ国際映画祭」で上映されるのに合わせて現地入りした北野監督が、24日に行われた米映画誌「ハリウッド・リポーター」のインタビューで発言。3月に英BBCがジャニー氏の性加害問題を特集してから波紋が広がっていることについて「日本でもLGBTQ(性的少数者)の問題やセクハラについて声を上げられる時代がようやく訪れた」とも述べた。
映画監督のほかに、1980年代から芸人・ビートたけしとしてたけし軍団を率いるなど大活躍。芸能界の重鎮でもある北野監督は、日本には戦後から複数の有力な芸能事務所が存在することを説明し、「こうした事務所はタレントを奴隷のように扱い、それが今日まで続いてきた」と言及。これまでタレントは搾取されてきたが、「最近はこうした古い慣行や過去の事件が明るみに出るようになった」と、時代の流れをかみしめるように語った。