岸田文雄首相は26日の参院予算委員会で、自らが掲げる「次元の異なる少子化対策」について「若い子育て世帯にとって受益が多いという視点が重要だ」と述べた。政府は児童手当の第3子以降の加算対象を「0歳~高校生」とし、支給額を現行から倍増以上となる月額3万円とする案などを検討している。財源に関しては「歳出改革の徹底で国民の実質的な負担を最大限抑制する」と強調した。
ロシアによる侵略が続くウクライナ支援に向けては、すでに提供した自衛隊車両約100台や非常用糧食約3万食に加え、「10機程度の大型変圧器や140台の電力関係機材を供与する」と表明し、「今後ともウクライナ側のニーズを踏まえて地雷除去、がれき対策を含め、日本の持つ知見や経験を活用したきめ細やかな支援を迅速に行う」と語った。
また、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を巡っては「議員立法であり、政府の立場から何か申し上げることは控えなければならない。国会で議論が進むことを期待している」と述べるにとどめた。
マイナンバーカードに関するトラブルが相次いでいることに関しては、河野太郎デジタル相にシステムの再点検などを指示したと説明したうえで、「万全の対策を迅速かつ徹底し、信頼回復に向けて政府一丸となって対応する」とした。
立憲民主党の田名部匡代氏は、首相の長男で首相秘書官の翔太郎氏が首相公邸内で親族と記念写真を撮るなど不適切な行動をした問題について「公私混同がはなはだしい。厳しく対処すべきだ」とただした。これに対し、首相は「公邸内には迎賓機能や執務機能を有する公的なスペースがあり、不適切な行動だった」と陳謝した。