【ワシントン=坂本一之、北京=三塚聖平】レモンド米商務長官と中国の王文濤(おう・ぶんとう)商務相が米ワシントンで25日に会談した。両国政府が発表した。
両氏は貿易や投資など米中の経済関係について協議した。会談でレモンド氏は「中国で活動する米企業に対して相次ぐ中国の措置」に懸念を表明。王氏も米国の半導体政策などについて懸念を示した。ただ、中国商務省は「率直で誠意があり、専門的、建設的な交流を行った」と説明しており、双方は意思疎通のルートを確立することで同意したという。
半導体をめぐっては、米国が中国に対する輸出規制を強めている。それに対し、中国当局も今月21日、米半導体大手のマイクロン・テクノロジーの製品の排除措置を表明し、対立が深まっている。中国側は、米国の対中経済・貿易政策や、輸出管理についても懸念を表明した。
米中関係は、米軍が2月に中国の偵察気球を撃墜した問題で冷え込んでいるが、中国の習近平政権は関係安定化へバイデン米政権との対話を積極化している。王氏は、米通商代表部(USTR)のタイ代表とも会談する見通し。
一方、バイデン米政権は、6月2~4日にシンガポールで開催されるアジア安全保障会議に合わせた米中国防相会談を目指しており、ブリンケン氏やレモンド氏、イエレン財務長官らの訪中も検討されている。