日本商工会議所の小林健会頭は26日の記者会見で、岸田文雄首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」を巡る議論について「少子化対策は過去30年間やってきたが効果が出ていない。過去を検証した上でメニューを出し、プライオリティ(優先順)を付けてから、お金をだすべきだが、今回は後先一緒。これまでも会議(こども未来戦略会議)で進め方に違和感があると申し上げてきた。施設やサービスなどの議論より今はお金が先」と述べ、議論の進め方に苦言を呈した。
少子化対策の財源として医療保険料へ上乗せする支援金などが検討されているが、小林氏は「商工会議所としては、まず歳出を改革し、国内投資や賃上げのモメンタム(勢い)を崩さずに経済を回して歳入を増やす。それでも間に合わねば満遍なく負担するのが順序と考えている。児童手当は大事だが、現金は貯蓄に回りやすい。所得制限撤廃も反対だ」と語った。
また、このところの株高、円安にも触れ「株高は日本銀行の大規模な金融緩和策の維持と、(米投資家)ウォーレン・バフェット氏ら外国人の日本株買いのため。株価上昇で円が売られて円安が加速している」とし、日銀の緩和策と〝バフェット効果〟の影響が大きいとの見方を示した。